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恋愛工学はアングラカルトとして弾圧するよりもっと周知して白日のもとに晒した方が良い

雑記

完全にチラシの裏に書いておけって内容だけれど、気になる記事があったので娘2人の親として恋愛工学についての考えを書いておく。

「恋愛工学」はなぜ危険なのか:女性蔑視と愛の砂漠 - 感じない男ブログ

雑な要約

  • 恋愛工学はただの数あるモテ本のうちの一つ。恋愛工学が流行ったのは藤沢数希氏のマーケティングの妙とSNSによるコミュニティ化、有料コンテンツビジネスの流行によるものと思われる
  • 恋愛工学がデートレイプの原因となるからと糾弾するのは無理筋
  • モテたい人間がモテ本を読むこと自体は各人の自由なんだから好きにさせていいが、恋愛工学は女性蔑視思想、そこから生まれる関係性は女性にとっては不幸な結末になる可能性が高く、その被害者が増えることが問題である。
  • 不幸な事象を減らすためには、恋愛工学を「何やら怪しい手口を使うアングラな集団」として弾圧するよりは、「モテない男がヤリチンに憧れて頑張っちゃってる集団」として白日のもとに晒し、女性側の知識向上と恋愛工学生とおおっぴらに言えなくなるような状況にするのが効果的

恋愛工学の普通さと特殊さ

恋愛工学がどういったものかは検索してもらえれば分かるが、まあいわゆるモテ術、ナンパハウツーである。

「恋愛工学」男の欲望をすべて叶えるこのテクノロジーは、ここまで進化した(藤沢 数希) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

男女問わず「どうやったらモテるか」は重要なテーマであり、古今東西のメディアは様々なアプローチで取り組んできている。現在、Amazonで「モテ」で検索すると3,000を超える書籍がヒットするし、恋愛工学、及びそれをテーマにした書籍である「僕は恋愛を証明しようと思う」も、数あるモテ本のうちの一冊であると言える。しかし、恋愛工学がその他数あるモテ本やハウツー本と比べて圧倒的に売れ、カルト的な人気を博しているのもまた事実である。

なぜ恋愛工学がここまで売れたかについては想像の域を出ないが、従来はモテない人、モテたい人が人目を偲んでこっそり読むような、ダサいから読んで参考にしていること事態を隠したくなるようなモテ術を、なんとなく知的でかっこよさそうな金融工学というフレーバーで上手くコーティングしたことで公言することの抵抗感が下がり、TwitterなどのSNSによるバイラル効果やコミュニティ化が発生したのではないかと考えられる。
また、恋愛工学は藤沢数希氏の有料メールマガジン「週刊金融日記」と密接な関係があり、氏を教祖とした恋愛工学生のサロン化、及びはそのマネタイズがなされていることも無視できない。一握りのカリスマとその取り巻きによる有料サロン化は有料コンテンツ配信サイトのNoteや有料メルマガの一般化により流行、恋愛工学をその具として週刊金融日記の相似形を狙っている人々も群がっているようにみえる。
それらの背景を受けて、恋愛工学はただのモテ術の域を超え、藤沢数希氏を教祖、恋愛工学生を信者とした一種のカルト教団染みた様相を呈している。

大学生のデートレイプに伴う恋愛工学批判について

恋愛工学がデートレイプに繋がりかねない、という批判がある。下記は何れも冒頭の記事内の要約である。

2016年5月、東京大学の学生と大学院生らが、女子学生への強制わいせつ事件を起こし、逮捕された。2016年9月、慶應義塾大学の学生らが女子学生に強い酒を飲ませ集団性的暴行を行なったと週刊誌が報道した。大学は学生らに無期停学などの処分を行なった。2016年9月、千葉大学の学生らが女性に酒を飲ませて集団で性的暴行を行なったとして、集団強姦致傷容疑で逮捕された。立て続けに起きたこれらの事件は、大学関係者に大きな衝撃を与えている。

週刊文春』2016年12月22日号は、千葉大学の学生である増田峰登被告についての記事を掲載している(「千葉大集団強姦主犯が私淑した外資系ナンパ師」(131~132頁))。その記事によれば、被告は、藤沢数希氏の提唱する「恋愛工学」にハマっていたという。

また、これに対して藤沢氏は自身のブログで反論している。

この記事に対して、藤沢氏はウェブ雑誌『BLOGOS』(2016年12月14日)に、「週刊文春の記事について」と題する文章を発表している。藤沢氏は3点に絞って『週刊文春』の記事に反論する。(1)作者には表現の自由がある。「犯罪の話ばかり書いてあるような小説であっても、本当に伝えたかったのは愛だったり、人間賛歌だったりする」。(2)「恋愛工学」は性犯罪とは真逆である。「恋愛工学さえ知っていたらこんな事件を起こさなくてもよかったのに、という声がいくつも挙がっていた」。(3)一部の表現だけを切り抜かないで欲しい。「一部の文言だけを切り取るのではなく、全体としてとらえて欲しい、というのが作家としての僕の願いだ」。

個人的には上記やり取りについては藤沢氏に同情的である。

デートレイプした人間は適切に裁かれるべきだが、その犯罪者が恋愛工学にハマっていたことを理由にその原因として恋愛工学を糾弾するのは、あまりに因果関係が曖昧で無理筋、これを認めることは表現の自由の毀損、思想弾圧に繋がるため受け入れがたい。百歩譲って誤読や未成熟な人間に与える悪影響を防ぎたいという意図で「僕は~」を有害図書指定するのはまあ(どうでも)良いのではないかと思うが、恋愛工学事態にはインターネットでアクセスできるだろうし効果は薄いだろうと思う。

ではなにが問題か

モテたい人間がモテ本を読むこと自体は各人の自由だし、恋愛工学を信仰する自由もある。
一方で、恋愛工学は(どう藤沢氏に好意的にバイアスをかけて読んでも)男性のみに都合のいい理論で構成され、女性への敬意は感じられず、それを女性蔑視思想ではないと主張するのは無理がある。

恋愛工学によって発生する関係性は女性側にとって良いものであるとは考えづらく、恋愛工学生に、そうと知らずに引っかり後に捨てられるという状態は女性にとって不幸な出来事と言ってよい。すなわち、恋愛工学によってやり捨てられるであろう女性が増えていくことが問題なのではないだろうか。

この辺は諸兄反論があるのだろうが(恋愛工学は女性のためにもなっている等の主張)、納得の行く的確な主張を見たことはないし、ましてや女性側からの恋愛工学の擁護は見たことが無い。自身の思想が凝り固まっている可能性も否定出来ないので、意見のある方は是非教えていただけると幸いである。

どうすれば良いか

あくまで、恋愛工学生に引っかかることが不幸であるという前提で、この不幸な事象を減らすためにはどうすべきか。

それを考えたとき、ヤバイ経済学のKKKについての下りを思い出した。クー・クラックス・クラン(英: Ku Klux Klan、略称:KKK)とは、アメリカの秘密結社、白人至上主義団体である。

KKKは1865年、六人の若者の悪ふざけから始まった。
しかし、すぐにKKKは州をまたぐテロ組織となる。一時期衰退、1920年代に復興すると構成員は800万人に膨れあがる。
第二次大戦後、KKKはアトランタを本拠地に、ジョージア州の主な政治家を抱き込み、警察権力も手を組んでいると言われた。KKKは秘密結社で正体がわからず、合い言葉を使い、密室で陰謀をたくらみ、恐ろしい集団であると大衆には信じられていた。大衆は彼らのほとんど何も知らず、ゆえに恐れ、自分らは無力だと感じていた。

(中略)

ではステットソンがもぐり混んだ組織は、リンチしないで、中で何をやっていたのだろう?
実のところ、学もなく、将来も暗く、何かはけ口のほしい哀れな男どもの、子供っぽい集いみたいなものだった。
彼らは宗教めかした御詠歌だとか誓いの言葉だとかで、おどろおどろしい雰囲気を楽しみ、幹部のほうはと言えば、何千人もの平団員から集めた団費と会社オーナーからの依頼で組み合いを脅す仕事料、ミカジメ料、決起集会での莫大な献金、銃の密売、怪しげな保険組合で保険を団員に売るなどで収入を得ている始末だった。

彼らの力の根源は隠されたもの、つまり「秘密」だった。政治家と組んでいる? 警察権力とつながっている?
彼らに逆らうとリンチされる? いったい全体これは事実なのか? かれらの正体がわからない。つまり情報が公になっていないことが彼らの武器だったのだ。

ステッドソンはあきれ果て、ますますこの結社をつぶすことを決意する。
だが彼個人で何が出来よう? 彼はあちこちに働きかけたが、巨人に小石でも投げているようなものだった。
そしてついに、彼は試行錯誤の末、大変ユニークな攻撃方法を思いつく。

――子供にスーパーマンになってもらい、悪人KKKを倒す、KKKごっこをやらせよう! 
彼らの力の根源は隠されたもの、つまり「秘密」だった。政治家と組んでいる? 警察権力とつながっている?彼らに逆らうとリンチされる? いったい全体これは事実なのか?かれらの正体がわからない。つまり情報が公になっていないことが彼らの武器だったのだ。

そこで彼は潜入で入手した内部の情報を公にすることを、思いつく。それも子供らに彼らの大切な情報を与えるのだ。
彼は数百万人の子供たちが聴く人気ラジオ番組「スーパマンの冒険」の中に、KKKの最高機密を入れてもらった。たちまち、このKKKごっこは子供たちの間で流行っていった。
KKKの神聖な儀式は、子供らに汚されていった。KKKの親は苦々しげに自分の子供が、KKKを倒す遊びを眺め、押し入れの奧の白いかぶりものが子供に見つからないことを祈った。KKKは全米の笑いものになり、何百万人もの団員を集めていた組織は勢いを失っていった。

秘密結社は秘密主義であるから、力を持つ。それを逆手に取り、情報を公にすることで彼らの力を削ぐのだ。

ある男が持った強力な武器。たった一人で戦い、秘密結社に勝利した方法とは? ( 東京都 ) - あなたの知らない視点で語りたい〜フォト 詩 小説 エッセイ - Yahoo!ブログ

恋愛工学、何やら似ていないだろうか。

恋愛工学による被害は、男性側と女性側の情報の非対称によって起こると考えられる。手口がわかっていれば、ちゃんと下記のように反応できる。

界隈に激震!? うしじまいい肉さんが「恋愛工学」提唱者と会った内容を『ブロマガ』で暴露 | ガジェット通信

恋愛工学にハマっている人には、「君がやっていること、すごくダサいよ」と伝えたい。あと個人的には恋愛工学の勉強をして、実際にそれをやってきた人がいたら「ドュフフwwww今トモダチンコをキメましたなwwwwwtwitterに結果報告するの?wwwww」と言いたいと思います。

恋愛工学が謎タームばかりでめっちゃキモ面白い件 - アオヤギさんたら読まずに食べた

恋愛工学を「何やら怪しい手口を使うアングラな集団」として弾圧せず、「モテない男がヤリチンに憧れて頑張っちゃってる集団」として白日のもとに晒し、女性の知識向上と恋愛工学生とおおっぴらに言えなくなるような状況にするのが効果的なんじゃないかなと思う。

もし身近に被害にあってほしくない人がいる場合は、一冊配るか内容を教えてあげるとよいのではなかろうか。

ぼくは愛を証明しようと思う。

ぼくは愛を証明しようと思う。

 

 

参考

 ヤバい経済学は本当に面白い。

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

 

 

mess-y.com

 

oreno-yuigon.hatenablog.com